岡山ジム主催興行に向けての選手インタビュー特集です
第4試合 有限会社トータルプランニングルミナス presents 53㎏賞金トーナメント ZAIMAX MUAYTHAI オープンフィンガールール 準決勝戦 Aブロック 3分3回戦(延長1ラウンド)
平松 侑(ヒラマツ・ユウ/岡山ジム/INNOVATIONバンタム級王者)
MASA BRAVELY (マサ・ブレブリー/BRAVELY GYM/M-1バンタム王者、WPMFインターナショナルスーパーフライ王者、スックワンキントーンスーパーフライ王者、元WMCスーパーフライ王者)
——今回のZAIMAXトーナメント、厳選された4選手、HIROYUKI、平松侑と全員チャンピオンの強豪揃いで、組合せは前日計量後の抽選制、当たりを引いた1名が対戦相手を指名するシステムとなっております。MASA選手は、指名権を獲得できたとしたら、準決勝1回戦、誰と戦いたいですか?
花岡選手です!
——いきなり今回の圧倒的な優勝候補ですか?
はい、強くなることこそが僕の目標ですから。花岡選手は小さな頃からアマチュアジュニア界で有名でした。大物感が桁違いです。テクニックもスピードも自分より遥かに上をいっていることは分かっています。ですが、その差を駆け引きや心の強さで上回ることができるのがムエタイの醍醐味です。圧力をかけて動けなくしてから倒してみせます。
——BRAVELY(勇敢)の名に恥じぬ心意気です。そんなMASA選手の来歴をお聞きします。
大分県の直川村で生まれ育って後に佐伯市に移りました。華奢で大人しい子供で、小学校時代に野球、中学でサッカー部でしたが、高校からは部活も特にすることなく遊んでいました。
——そんなMASA選手が格闘技やキックボクシングと出会うのは?
父が空手経験者で格闘技を見るのも好きで、一緒にK-1など楽しんでいたので興味は元々あったところ、高校卒業間近でMMAのジムに入門したんです。
——ムエタイのイメージが強いMASA選手の格闘技キャリアはMMAスタート?
ですが、あくまで遊びだし、力もないので弱いし、スパーリングは怖いわで、半年くらいで挫折しました。高卒後は、建築関係の会社に就職して別府市に移り、「格闘技やりたい」欲求が半端に消化しきれていなかったところ、ネットで調べたBRAVELY GYMに入門します。20歳くらいでした。
——それはプロ選手志望で?
いえ、あくまで趣味なんですけど、あわよくば「強くなりたい」「上手くなりたい」って心残りを消化したくて。けど、初めてムエタイを学んでいくうちに面白くてハマっていって、すると気持ちも上がるので、半年くらいしたら会長(BRAVELY GYM、伴政和会長)から「試合出てみるか?」と言われてやってみたら、10戦ちょいやって負けなしでいけたんです。
——アマ無敗とはなかなかのことです。
非力な自分が力なくても勝てる感じが嬉しくて試合してはいますが、その時はまだ仕事第一優先で遊び感覚ではあります。それなのに運良く勝ち抜けたというか。それでも会長から「次はプロでやるか?」と問われれば、二つ返事でOKしたものです。
——そうして迎えたプロデビュー戦は?
アマで勝ったことのある相手に勝利しました。けど、その後が3連敗の苦境に陥ります。
——そこから抜け出せたのは?
連敗が辛くて、すると練習も面白くなくて嫌だったんですけれど、「日本チャンピオンになりたい」なんて大それた目標を掲げてしまっていたし、引くに引けなくなって、一度、トコトンやってみようと頑張ってみました。仕事も犠牲にしてプロとしての姿勢を貫き通してやろうって。そうしたら今度は連勝し始めて、KOK(福岡を中心に活動する九州のキック団体)やWPMF日本ランカーになれて、そこまでいけば最後までやり抜こうって度胸も据わりました。
——そこから2018年2月25日、KNOCK OUTなどで活躍していた国内有数の好ファイター、仲山大雅選手に勝利するなど上がっていくわけですね。
自分的には、アマで実績のあった服部柊斗選手と仲山選手からの勝利が大きかったですね。けど、最大の転機は、初のタイトルマッチ(2019年2月24、WPMF日本スーパーフライ級タイトルマッチ)でチャンピオンの片島聡志選手に挑戦しての敗北でした。
——転機となる要点は?
地元興行の挑戦でそれなりに自信もあったのに技術で完封されました。まったく何もできなくてショックで。そんな自分の壁を壊したくて本当の本気になりました。
——その後はとんとん拍子に4冠王となるのですから大きな奮起となったわけですね。
悲しむにくれる間もなく猛練習と試合を繰り返しました。
——そして、今回のZAIMAXトーナメントへの挑戦に至るわけですが、オープンフィンガーグローブ使用のワンデイトーナメントという過激な特色についてはいかがでしょう?
オープンフィンガーグローブは、未知の世界で楽しみです。ムエタイしかしてこなかった自分がどこまで対応できるか? 腕でガードすることがしにくくなるなど色々な相違点が出てくるので、そこをどう克服するか考えています。ワンデイトーナメントに関しては、“削り合い”の競った戦い方をするのが自分のパターンで、一発で倒すようなKOするタイプでもないので大変そうです。指名権を得たら花岡選手を指名したいのは、それもあります。真っ新なうちに最強の相手をやりたいなと。
——その他の2選手についてHIROYUKI選手はいかがでしょう?
パワフルで回転力があるし、いきなり飛び込んでくるようなイレギュラーさもあって危険なタイプですね。VTRを見て研究しています。
——平松侑選手は?
一度やって左ミドルキックでKOしています(2018年10月28日、3RKO勝ち)が、まだデビューから間もない若い時のことだし、今は別人と見るべきで、地元開催で気持ちも上がっているでしょうから油断はしません。
——そんな強敵たちとのトーナメントに挑むMASA選手は、ご自身から見てどんなファイターなのでしょう?
常にスリリングな試合をするので観客の皆さんは面白いのでは?(笑) たとえダウンを奪われようとヒジ打ちで斬られて血まみれになろうと絶対に勝負を諦めないで最後は粘り勝ちします!
——また、ムエタイスタイルの強豪を輩出し続けるBRAVELY GYMの秘密は?
上を目指す選手が多いので、その中で切磋琢磨できるところが大きいです。それと会長がそれぞれの特色を見定めて徹底指導していただけますし、セコンドでも完璧で的確なアドバイスが心強いです。
——ここで優勝すれば、賞金も名誉も大きく手に入ります。その後のプランは?
KO賞やヒジ打ちカット賞などを狙いにはいきません。あくまで勝つことのみが目標ですから。オープンフィンガーグローブというとONEのイメージですが、あの凄い舞台に繋がれば嬉しいですね。
——53kgあたりの軽量級は、昨年、RISEが大規模なトーナメントを行い、優勝した風音選手をはじめ流れができています。
チャンスがあればとは思いますが、じっくりと駆け引きをするムエタイが自分の持ち味でもあるのでそこを大目標にはしません。まずは今回の優勝。そして、その後、トーナメントで当たることのなかった2選手と試合をしてみたいですね。