FIGHTER-INTERVIEW

岡山ジム主催興行に向けての選手インタビュー特集です

——地方興行としてビッグイベントを恒例化してきた岡山ジム主催興行、今回、セミファイナル、INNOVATION王座認定試合として平松弥選手の相手としてスダ456選手が相対することとなりました。

平松選手は強い！　それが試合を受けた理由です。

——INNOVATIONタイトルは、同団体加盟ジム所属選手のみの挑戦資格となるので、残念ながらフリーランスであるスダ選手のBRING IT ON PARAESTRA AKKからは、その限りではなく、今回は「平松選手が勝利すればチャンピオン認定される」という具合ではあります。

ベルトに執着はありません。“強い奴とやる”ことのみが自分の願いですから叶ったりです。

——「強い！」と第一声から認められる平松選手の実力ですが、無敗のホープ相手に勝利への自信は？

これまでのスダ456であれば負けると思います。ですが、この試合を決めたことによる覚悟と気合いで勝利を掴んでみせます。それは平松選手のみならず「これまでの自分を超える」ことであり、それがチャンピオンベルト以上に価値がある最高の証ですから。

——そんな修験者というかストイックなスダ選手ですが、リングネームの456（ジゴロ）部分がなんともエンターテインメント色があり、ギャップが面白いです。

昔、ホストをやっていたことからこのリングネームを名乗りました。プロデビュー当初は本名の須田孝禎だったのですが、途中から456でやらせていただいております。

——元ホストでジゴロ……波乱万丈を感じさせるスダ選手の来歴をお聞きします。

千葉県船橋市生まれで、親の仕事関係で群馬県や埼玉県、千葉県を転々としました。4人兄弟の長男で、子供の頃はヤンチャで田んぼのカエルを捕まえて遊ぶみたいな。

——運動歴や格闘技との出会いは？

体操教室に通ったりしつつ、格闘技には興味津々で、高校の空手道部に入ります。そこが空手というより太気拳（中国拳法の流れを汲む日本創設の武術）をされている顧問がいて、MMAというか全方位武術的なことをしていました。

——そのまま武術の道に？

それがそれなりに悪いこともしていたので高校中退してしまい、西船橋のキャバクラのボーイからはじまり夜の仕事に生活が傾いていきます。

——不良時代、何かエピソードは？

オラオラ系6名くらいに絡まれて、ボスっぽい奴を倒して逃げ切ったとか（笑）。

——夜の世界からキックボクシングや格闘技にどう繋がったのでしょう？

ホストのみが参戦する「ホスト☆ボンバイエ」という格闘技大会があって、それに出る為に今のBRING IT ON（パラエストラ小岩）が創設間もない初期時代に入門して練習しまして。

——そして、その試合結果は？

180cmくらいある奴にボコボコにされて負けました。それにしても楽しかったですね。それが悔しくてジムに通い出して、プロになって、ひとつ勝ったら嬉しくて、もう1勝ってやっているうちにドはまりして、本気でやるならってホストも辞めました。30名位の中型店で四天王（ナンバー4）には入れたのでそれなりでしたが精神的な疲労が嵩むと病んできてしまって、両立はできないなと。

——これまで23戦ものキャリアを積まれて、途中、連敗が続いた時期もありながら、最近は勝利が多く、失礼ながら30代半ばにして成長されている様子が伺えます。

2018年10月8日の濱田巧（team AKATSUKI）戦で大池代表にタオルを投げさせてしまって（3ラウンドTKO負け）、そこで奮起して東京都福生市の橋本道場に出稽古に行くようになりました。それまで引退を迷ったこともありますが「まだ強くなれる」気持ちが少しでもあるうちは追求しようと。仕事も人力車の俥夫などしながら、現在はキックボクシングトレーナーをして、キック一本で生活しています。橋本師範や大池代表の指導も実り、試合結果もついてくるようになりました。

——まさに晩熟型ですね。

勝つ為に練習をして結果が出なければストレスになりますが、そこであえて何も考えずにひたすらに「強くなる」ことに集中して、敵は自分の中にあると弱い己に向き合えば、自然と道が拓けてくるものです。とにかく目指すは「自分を超える」です。

——そんな気持ちのスダ選手と平松選手の試合が楽しみになってきました。

これまでロクデナシだった時代もありました。プロデビュー10年目、ここで大きく自分を超えてみせます。そんなスダ456の人生劇場をお楽しみください！